「佐野乾山」の真贋についての議論
当たり前の話ですが...
このようなHPを作っているので誤解されると困るのですが、私は「佐野乾山」と言われているもがすべて真作であると主張している訳ではありません。そもそも「佐野乾山」がすべて贋作であったり、すべて真作であったりする訳はありません。これは、「鳴滝乾山」と言われているものがすべて真作でないのと同じことです。
乾山が佐野に滞在したことを証明した篠崎氏の御苦労は大変なものであったと思いますが、彼が発見した「佐野乾山」に対してバーナード・リーチ氏も森川氏も否定的で、後世の作だろうと書いていました。これらの「佐野乾山」は、私が見ても魅力のないものに見えますが、陶磁協会公認の真作とされています。一方、森川氏が見出した「佐野乾山」は、陶磁協会が贋作であると主張して事件になったのです。
ですから、「佐野乾山」の真贋を議論する時には、まずは森川親子とバーナード・リーチが認めた(例えば、本や図録に掲載されている)物で議論しないと、噛み合わない議論になってしまいます。最近、ネットオークションでも「佐野乾山」が結構出品されていますが、私が見てもダメなものがほとんどです。反対派の人達は、そのような類の物を持ってきてやはり「佐野乾山」は贋作だ!と言っているように思います。
まずは、当時議論になった物を対象にして一点一点、良いもの、悪いものを判別するのが本筋であろうと思います。