科学鑑定を実施

疑惑に対する回答として科学鑑定を実施


紀州文化振興会では、読売新聞や毎日放送に疑惑を掛けられた李朝の陶磁器を岐阜県多治見で科学鑑定を行っているP&Sセンターの河島達郎氏に鑑定を依頼しました。氏は熱ルミネサンス測定による年代測定と真贋(新古)鑑定の方法を研究しています。
その原理は、陶磁器の胎土には同位元素があって常に放射線を出しています。それは電子を弾き飛ばしますが、その電子は周囲の結晶に捕捉されます。ところが一定以上の熱が加わると、電子はまた元の位置に戻ります。(太古の状態に戻る)
陶磁器にとっては、その時期が製作年代で、そこからまた捕捉電子の累積が始まります。その捕捉電子量をある方法で測れば、焼かれた時点から年数が経過したものかどうかが判りさらに陶磁器が置かれたのと同一条件での電子の年間累積量を測れば、それと対比して経過年数もおおよそ判るというものです。

落合氏は、完璧な美術品である、下記李朝の2品に対してその測定を依頼しました。この方法は器物の一部を消しゴム大の形にドリルで切り取る事が必要となります。なんと勿体無い事ですが、科学鑑定のためには仕方の無い事です。
鑑定の結果は、2品とも「古作」との鑑定が出ました。その結果は岸和田市の記者クラブで記者達に説明しましたが、状況は何も変わりませんでした。結局、現物を見ないで贋作と公言するような人には何を言っても意味が無いと言う事でしょうか?

【鑑定結果】
古作と判定します。プラトー比はほぼ1:0.5であり、N試料は300ラド分に相当します。年間蓄積量を1ラドと仮定すれば
300年前となります。






【鑑定結果】
結果について少々付記します。例の葵紋入りは、念入りに10回測定した結果、近作ではないと判定しました。100年以上は経過しているでしょうが、でも150年か200年か250年かと問われれば、その辺のことは明瞭には答えられません。要するに当該資料の年間熱ルミナ蓄積量が不明である故、計算できないからです。したがって一番ベターなのは、年代の明らかな李朝磁胎(同一窯)の比較をしてみることです。




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